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沖縄移住当初に住んだ「那覇新都心」は、都会感と自然と人々の暮らしがマッチングした住みやすい場所だった – 沖縄の暮らし Vol.1

 2023-01-10
沖縄移住当初に住んだ「那覇新都心」は、都会感と自然と人々の暮らしがマッチングした住みやすい場所だった – 沖縄の暮らし Vol.1

沖縄に移住した当初、居住地を那覇市の北部に位置する、通称「那覇新都心」に決めました。その理由は、これから発展していくであろう町並みの都会感とアメリカナイズされた大きな複合商業施設が好奇心をそそったから。

日々進化していく街の姿に果てしなく未知の世界が広がるような高揚感を抱いて、自分の中で沸々と湧き上がる”わくわく指数”のアンテナが反応して、ほぼ即決で賃貸アパートの新築物件を予約したのです。

「寒いのが苦手」で沖縄に移住した二拠点生活フリーライター・編集者みやねえ(@miya_nee3)です。移住当初はツアーコンダクター、その後はWeb制作会社でHTMLコーダーとWebディレクターを努めて、フリーランスに転身。気づけいた時にはライターになっており、現在は編集者やWebメディアのディレクションなども担当しています。

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす那覇新都心に住み着いた時期は、まだツアーコンダクターとして働いていて、沖縄県内をぐるぐると周遊するツアーに同行し、たまに沖縄の離島やアジアにも仕事で訪れていました。

家から那覇空港までタクシーならば1,500円弱。沖縄都市モノレールも利用しながら、ツアーのお客様を出迎える那覇空港に行き、そのまま数日間のツアーに同行する日々。

4日に一度は那覇空港に通い、もっと正確に言えば、ツアーの集合と解散が那覇空港だから、4日に2度は那覇空港にいたことになります(どうでもいい雑談…)

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす当時は、ツアーコンダクターとして沖縄らしい景色を眺めて観光地を放浪し、各地域で沖縄料理を堪能する日々。だからこそ、那覇新都心のような何でも揃う都会的な地域での暮らしがほどよく感じたんですよね。

いくつかの複合商業施設の中には、100均のダイソーや無印良品、大きなスーパーマーケットもあり申し分のない生活環境が整っていて、便利だし楽だし、オンとオフを切り替えられる居心地の良さにハマっていました。

Web制作会社に勤めてからは、徒歩圏内の那覇新都心のオフィスに通い、たまに自転車通勤。車を購入したものの、平日に車の利用頻度が薄れて、あえて週末に遠出して車を活用せねば!とある意味で車の持ち腐れ。今となっては、ライターとして沖縄県内の取材に行く機会が増えて、車のありがたみを感じています。

雨をしのげるし、道路の渋滞中でも個室空間で好きな音楽を大音量で聞けますし…。

比較的に車の利用頻度が低めな那覇新都心の暮らしは、運転免許を所持していない人や那覇のオフィス街へ通勤する人には便利な立地といえます。引っ越しの際にも買い物には困らず、新しい地で右も左もわからない状態ゆえの便利さがありました。

沖縄へ移住したのは確か、9月頃。まだ真夏同様の蒸し暑さと強い日差しの中で秋の気配はまったく感じず、ムワッとした湿気に全身が包み込まれていました。

「那覇新都心」と呼ばれる街の暮らし

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす、りうぼう楽市米軍の牧港住宅地が返還され、その跡地が現在の那覇新都心です。何もないまっさらな広い土地を区画整理して、その後、都会的な街並みへと進化していきました。複合商業施設の「楽市りうぼう」や「サンエー那覇メインプレイス」、その間に挟まれて建つアップルタウンと沖縄県立博物館・美術館。

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす、那覇新都心公園その近くには、緑が茂る広大な新都心公園が都会のオアシスのような存在感を放ち、遊具やアスレチックを完備して、アスリートたちがランニングするジョギングコースが設けられ、公園を利用する人たちや園内の木々を亜熱帯の太陽が照らしています。

那覇新都心は賃貸マンションやアパートが密集する住宅街。しかし、区画整理されたその土地は、窮屈に建物が連なることもなく、緑の木々や自然と人々の暮らしが共存する豊かな空間です。

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす、パン屋人気のパン屋やケーキ屋などの小さなショップが点在し、特に美容院には事欠かないほど店舗数が多い印象。夕方になると、那覇国際高校から帰宅する高校生や公園で遊ぶ子供たちの元気な姿とすれ違い、もともと空き地だった地域を有効活用したのか、小さな公園をあちこちで見かけます。

ちなみに、この写真は「プリン山公園」です。

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす、プリン山公園住宅と自然と都会感。沖縄らしさを一見感じないものの、そこには普通の一般的な暮らしが存在していて、逆に賑やかな大通りから一歩外れると、閑静な住宅街です。住むことを考えたら、買い物に便利で暮らしの環境が整った不自由のない那覇新都心。一瞬ココが日本の端、沖縄ではない気がするくらいに住みやすい地域でした。

しかし、高温多湿な亜熱帯気候や強い日差し、南国の植物や生き物たちが、ここは沖縄だよ〜!と物語ってきます。たまに夜になると、バサバサッ!と羽を広げた大きめの鳥が飛んでいる姿を見かけます。これは高確率でコウモリだと伝えておきますね。夜の街中でも見かけるコウモリがいれば、小さくてかわいいヤモリが家の中に居座っていることもあり、「沖縄怖い。いや、でも楽しい…」を繰り返して沖縄の暮らしにハマっていくのです。

沖縄では、春と秋の季節感がない

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす(ハイビスカス)沖縄に住んで数年後に気づいたことは、「沖縄には春と秋の季節感がほとんどない」ということ。梅雨明けする6月下旬から10月までは気温が高く、12月から2月にかけてほんの数日間だけ厚手のコートを着用する恐ろしく寒い日がやってきます。海から吹く潮風の影響で、冬場は風の強い日が増えて風速が体感温度に影響して異様に寒い日があるのです。桜吹雪や紅葉のない沖縄は、気温的にも季節柄的にも春と秋が訪れる感覚があまりないのです。

やや高台に位置する那覇新都心は、きれいに区画整理された地域です。

そのため、道路が広くて比較的に風通しがよく、四方の窓を開けると風が室内に舞い込みます。しかし、もともと空き地ばかりだった地域に建築ラッシュが相次いで、私が住む賃貸物件の道向いに4階建ての賃貸アパートが建設されました。すると急にパタリと風通しが悪くなる事態が起こり、「周囲の空き地にご用心を!」そんな宣伝文句が頭をよぎりました。

台風の最中や強風時の威力は半端なく、普段でも風の強い日に安価のビニール傘を差す際には注意してください。気づいた時には傘の持ち手と骨だけが残りビニールが吹っ飛んでいることがありますからね。

5月GW開け、梅雨の時期に気をつけたいこと

雨といえば、梅雨の時期に気をつけたいこと。

例年の沖縄では、GW明けから梅雨入りして、6月下旬に梅雨明けします。亜熱帯気候といわしめる高温多湿な沖縄で、さらに梅雨の時期に最も苦戦するのがカビ対策でしょう。除湿が行き届かない靴箱やクローゼットの上部を換気せずに放っておくと、革製品の靴やカバンからカビていき、水回りも黒い点々が発生。除湿機やエアコンをフル稼働して「除湿、バンザイ!」と早期に対策しないと後から大変なことになります。

そう、カビ地獄…!!絶対にいやだし、何としても避けたい。沖縄の梅雨や台風特有の話はネタに尽きず、新発見の裏技や地域に根付いた風習から学んできた知恵が満載でした。

那覇の暮らしに便利な自転車生活と徒歩暮らし

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす( サンエー那覇メインプレイス)沖縄都市モノレール「おもろまち駅」を下車すると、映画館やスターバックスが入ったサンエー那覇メインプレイスまで徒歩5分。駅から徒歩圏内にオフィスビルや居酒屋が集中して、昼間と夜とで街の顔を変えていきます。

那覇新都心での暮らしの中で重宝したのが、自転車生活です。いくつもの複合商業施設が集まる地域なだけに、特に週末は車の渋滞が凄まじく、スーパーマーケットまで車で向かうよりも徒歩のほうが早いこともあり、自転車だとなおさら早く到着します。つまり車の渋滞が運動不足解消の一役を担っていたのです。

 サイクリング気分で自転車通勤

たまたま移転したオフィスが自宅から近距離となり、自転車通勤で往復する毎日。快晴の朝は、RADWIMPSの曲を聞きながら青空を見上げて、仕事帰りには米津玄師の曲を聞きながら人混みまばらな道路を悠々自適に家までサイクリング(アーティスト名は2019年版にアレンジ)。身体ともに健康になれる音楽と自転車の暮らし。運動不足とは無縁な生活を送っていた当時が懐かしい…。

仕事帰りにTSUAYAやユニクロへ気軽に立ち寄り、たまに知人らとディナーという名の居酒屋で合流。但し、車社会の沖縄では、移動手段が車やバイクが主流。自転車で行動する人が少ない分、大型店舗や広い公園でもない限り自転車置場がなく、小さなカフェや飲食店には自転車を置くスペースがないのです。

一言断ってから店の前に置いたり、場合によっては徒歩で行くことも。ただ、自転車の置き場所に困った記憶があまりないため、大型店舗の駐輪場を利用するか、小さなお店なら入り口の隅っこなどに置かせてくれたのだと思います。

車社会の沖縄では、あまり終電の概念がない

沖縄都市モノレールしか電車がない沖縄は、終電の概念がなく、特に仕事の残業時は「車やバイクがあれば、いつでも帰れる」といった恐ろしくポジティブな発想に変化して、永遠の残業が習慣化、なんてことも。

しかし、働き方改革として、2019年4月に施行された「時間外労働の上限規制」によって、残業の発想は徐々にデリートされていくことでしょう。自宅から徒歩圏内のオフィスだと、朝の鍵担当を任される確率高し。これを逆転の発想からいえば、早起きの習慣が身について健康的な朝を過ごせます。

「終電の概念がない」ことは、金曜土曜の夜や祝日前夜に時間を気にせず深夜まで飲みふけることもでき、ゆんたく(沖縄の方言でおしゃべりの意味)好きやお酒好きには至福のひとときを味わえます。

帰りは車の運転代行を利用したり、那覇の国際通り周辺からタクシーを利用しても那覇新都心まで1,000円未満。飲酒せずに車を運転して帰宅する人たちもいて、まさに自分も同様、現在は飲み会に参加してもノンアルコールビールを飲んで楽しんでる人。

那覇新都心の居酒屋なら自宅から徒歩圏内。この気軽な距離感は、人と会うことや楽しい行動を加速させるばかりでなく、歩いて帰宅すると夜風に当たりながら酔いをさますのにほど良い時間と化して、考えごとや飲み会の空想に浸りながら夜道で1人で「むふふふ…」と笑いながら歩く奇妙な人にもなれます。

那覇の中心地に近く、新規開拓がしやすい距離感

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす(栄町市場の路地裏)国際通り周辺の路地裏などで沖縄らしいローカルな居酒屋を見かけます。

隠れ家的にひっそりと営業する店に興味本位で知人らと訪れては、お気に入りの店を発見したり。日々の暮らしに潤いを与えてくれる行きつけのマイプレイスを確保して、たまにフラッと気軽に立ち寄って生ビールを一気飲み。そこにおいしい料理とくれば、明日への活力に繋がるから不思議です。

昼間は、さまざまな外食ランチ。帰宅途中に夜な夜な散策をすれば、ほどよい距離感の範囲内で新規開拓をしやすく、散歩を兼ねて路地裏散策をすると楽しい発見があります。

驚きの自転車ドロボーにご注意ください

自転車を利用するならば、1点だけ注意が必要。自転車用の鍵を必ず利用すること。また、賃貸物件の1階に自転車を置くと盗まれることが多いのです。一度などサドルだけ盗まれたり、U型の頑丈な鍵をつけたにも関わらず、鍵をつけた前輪以外の全てが紛失していたこともあって恐ろしい夢を見て目が冷めたけれど夢ではなく現実。フィクションのドラマみたいな1コマを体験しました。

エレベータ付きの物件に住み、自転車をエレベータに乗せて部屋の玄関前まで運ぶのが夢です。雨に濡れて自転車のサビが気になる場合は、室内で保管するのがベスト。ああ、広い部屋に住まないと…。もうひとつ夢が増えました。

仕事の作業面においては、私のようなフリーランスに嬉しい電源カフェが那覇新都心に増えつつあり、打合せにも活用できる広くて快適なカフェが少しずつオープンしています。那覇新都心は駐車場を完備しないカフェが多いため、自転車で移動できるメリットはフリーランスには有益ですね。

都会的な清潔感と静寂な街「那覇新都心」の潤いと景色と

[沖縄移住生活]那覇新都心で暮らす(海とノンアルコールビール)平日は仕事と日々の暮らし。だからあえて休日には遠出して沖縄の海や自然を満喫すれば、「沖縄らしさ」を浴びながらリフレッシュできます。仕事と休日、オンとオフのほどよいバランスを求めるなら、仕事面でも便利な立地の那覇新都心での暮らしは快適そのもの。仕事も人も集中する那覇に住めば、沖縄移住後の不安や孤独感が自然と遠のく気がします。人に出会う機会やオフの遊び場がそれだけ多いのでしょう。

田舎のような分厚い人間関係でもなく、人や地域との距離感や温度感を自分で選択できる自由度の幅が広がる居住地だと思います。静と動が交差する街、那覇新都心の居心地の良さは「自由度の高さ」と「便利さ」、そして南部にも北部にも行きやすく、車で移動すればすぐに海と出会えるところ。

ガッツリと沖縄に浸りたい人は、南部や北部で過ごすと、また違った沖縄らしい暮らしを築けると思います。しかし、仕事や子供たちの拠点を那覇にするならば、那覇空港や沖縄県の中心地から近く、沖縄都市モノレールやタクシーを上手に利用して、徒歩や自転車でもサクッと動ける那覇新都心は、初の沖縄移住の居住地としては、暮らしやすさを提供してくれるでしょう。

ここ最近、月に一度は東京に行く機会があり、那覇空港への近さから再び那覇市内に引っ越そうかと現在検討中です。

(文・撮影/OKINAWA GRIT 代表 みやねえ

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