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沖縄のフリーライター・編集者 みやねえ

共感、逆説、違和感、一瞬で心を鷲掴みにする「キャッチコピー」の考え方と作り方(初心者向け)

 2021-07-31
共感、逆説、違和感、一瞬で心を鷲掴みにする「キャッチコピー」の考え方と作り方(初心者向け)

2018年6月、Canva Japanさんに寄稿した記事を、許可をいただき掲載しています。(2021年3月、新たに編集を加えました)

情報過多の現代において、私たちは無意識に多くの情報の中から取捨選択をしていますよね。つまり、言葉や文章を編む側、記事をつくる側になったとき、その情報は興味を持ってもらえるか。不安材料が増えていくばかりです。現実には、目に止めてもらえる情報はほんのひと握り。人を惹きつけるインパクトのある言葉選びやテイストを提示できなければ、その情報はあっという間に埋もれてしまいます。 

自分たちが手がけた商品やサービス、運営するお店やイベントなどを宣伝したくても、全く宣伝効果が現れずにもどかしく感じたことはありませんか。まずは、企業やお店、自分たちの思いやこだわり、商品の強みなどを言語化して伝える必要があります。そこで重要となるのが「キャッチコピー」の存在です。 

 

「キャッチコピー」とは、企業でいえば企業理念、お店でいえばコンセプトを、消費者に向けて一瞬で伝わり、心を揺り動かされるインパクトがある短い文章で表現したもの。身近な存在でいうと、テレビCMや新聞広告、広告のポスターや商品のパッケージなどに、大きく目立つ言葉で「ひと言で表現すると何?」を言語化した宣伝文句です。 

キャッチコピーを書く人を「コピーライター」といい、著名な方だと、糸井重里さん、渡辺潤平さん、ルミネのコピーを手掛けた尾形真理子さんなど。以前から存在する職業なだけにキャッチコピーの重要度の高さが伺え、ベテランのコピーライターであれば、1つのコピーで数十万から数百万を稼ぐともいわれます。しかし、一般の人でもキャッチコピーの基礎を理解すれば、伝わりやすい言葉選びや言語化が可能だと思っています。

一瞬で相手の心に響く印象的なキャッチコピー。この記事では、初心者でも理解できる「キャッチコピーの作り方(初心者向け)」をお届けします。 

人が行動する時、それは何かしらの「欲求」に基づいている

購買意欲をかき立てられたり、実店舗に出向いたりと、行動を起こす時。それは何かしらの「欲求」に基づいています。幸福感、不安な心境、損得勘定、自己実現、課題解決など、そのときの感情に突き動かされて、何かしらの理由を伴って行動を起こす。ポジティブとネガティブの両極面から抱いた感情によって「自分ごと化」していくわけです。

行動してもらうためには、それを誘発する要因が必要であり、「キャッチコピー」はその大きな役割を担っています。どのような言葉選びをして、どのような表現で伝えたら、お客様が「自分ごと化」できるのか。それをイメージすることから始まります。

いくつか事例を挙げると、継続的にキャッチコピーを更新している有名な広告が、ルミネの広告、JRの「青春18きっぷ」のポスターや「JR SKI SKI」のポスターなどです。これらの広告を見ていると、不思議とショッピングや旅へ出かけたい気分になったり、コピーひとつからふんわりと想像力が湧いてきます。現在までに数多くのキャッチコピーが作られ、これらを比較するだけでも参考になります。

 

「惹きの強さ、印象の深さ、興味・関心の高さ」などをキャッチコピーから引き出しを増やせると、購買意欲や実行動へと繋がっていき、自分たちの商品やサービスの独自性や強み、自分たちの活動や思いなどを言語化できる力を持てば、それを一生ものの武器として活用できるのです。

SNSでシェアしたくなる記事のタイトルとか、身近なところにもヒントは隠れています。情報量の増加に伴い、情報を取捨選択する必要性が出てきた今の時代に、一瞬でパッと目を引く「キャッチコピー」は、企業の顔や看板にもなり得る入口になるのです。

絶対にブレるな!最も重要な「コンセプト」の考え方

人を惹きつけるキャッチコピーをいかに作れるか。それを可能にするのは、まずブレない軸となるコンセプトが必要です。コンセプトとは、全体的な構想の骨格となる概念のこと。商品やサービス、お店や企業の理念など、一貫した深みがあり伝わるコンセプトを打ち出せると、大勢に共有しやすくなり、今後の活動やスタイルにもブレが生じにくくなります。

 

まずは、他にはない強みや独自性を探り、それらをマインドマップのように書き出して、いくつかのテーマに分類していきます。例えば、そのテーマを「○×○×○」と3つのテーマで掛け合わせることで、さらに独自性を発揮したポジショニング(あるカテゴリで1位になること)が可能になります。

主観を一旦退けて客観的な視点で冷静に探っていくがポイントです。外部の人にリサーチするのも効果的。第三者目線の違う角度から見える意見は大変参考になるのと、時として変革的な進化をもたらします。

 

次に、いくつかのテーマを掛け合わせた強みがどのような客層に響くのかを考え、いわゆる「ペルソナ設定」をします。性別、年齢層、職種、居住地、ライフスタイル、趣味・嗜好など、ターゲットの属性を絞り、また「6W3H」で細かく内容を落とし込んで分析すると、一連のストーリーをイメージしやすくなります。

「5W1H」は有名ですよね。そこに「Whom、How much、How many」を加えたものが「6W3H」になります。

When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、Whom(誰に)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくら)、How many(いくつ)、この9つです。

 

細かく落とし込んだら、そのターゲット層がどのような感情を抱くのかを想像した上で、その先にある課題解決や自己実現などの欲求に対して、バリュー(価値)やベネフィット(利益)をどのように提供していけるのかを考えて、最終的な満足度(ゴール設定)までのストーリーを想定していきます。

  1. テーマを掛け合わせた強み(差別化)
  2. ターゲット層を絞り込む(ペルソナ設定)
  3. 6W3Hで内容を落とし込んで分析
  4. ターゲットの感情や欲求を掘り下げる
  5. ターゲットにバリュー(価値)を提供
  6. ターゲットにベネフィット(利益)を提供
  7. 最終的な満足度(ゴール設定)を想定

 

紙や付箋に書き出す「KJ法」やマインドマップツールを活用。細かく分析すると、重要な基盤となるブレない軸や強みとか、ターゲットが体感するであろう一連のストーリーのもと、ゴール設定が見えてくると思います。そこから顧客の感情に訴えかけるような伝わる言葉選びを通して、ありきたりではないオンリーワンを目指してコンセプトを言語化していきます。  

もちろん、そこにはオーバーな表現や嘘があってはなりません。後々、信用問題にも関わります。自分語りのような強い自己解釈に留まるのを防ぐためにも、第三者にリサーチして感想をもらうことも忘れずに。

コンセプトを短い言葉に置き換えて「キャッチコピー」を考える

出来上がったコンセプトをさらに短い言葉に置き換えて、一瞬で心に響く「キャッチコピー」へと進化させていきます。 

キャッチコピーを考える際は、「一瞬で響く言葉」になっているかどうか、が重要な鍵となります。多くの情報の中からそのキャッチコピーを見つけてもらい、目を止めてもらうには、強烈な感情を抱くインパクトが必要になるからです。 

キャッチコピーを考える上で、いくつかロジック的なコツを挙げておきます。

  • 数字を入れて説得力を上げる(訴求力) 
  • 言葉の掛け合わせで造語を作る(オリジナル) 
  • 「、」や「。」を効果的に使う(余白を残す) 
  • 漢字、カタカナを効果的に使う(語呂感) 
  • オリジナルの個性を打ち出す(独自性・個性) 
  • 重要かつ伝わるキーワード選定(強み・差別化) 
  • 複数の類語を書き出して比較する(言葉選び) 
  • 漢字、カナ、ひらがなのバランス(心地良さ) 
  • 2行以上は、文字数のバランスを調整(配置) 
  • 対義語や疑問符・感嘆符を効果的に使う 

 

例えば、複数の類語を並べて、言葉と言葉を繋ぎ合わせた時の相性を比較したり、漢字・ひらがな・カタカナのバランスが心地よく配置されているかを見たり、数多くの言葉を書き出して、それらの言葉を四則計算のように足し算、引き算、掛け算、割り算しながら、さまざまなパターンで言葉を紡いでいきます。 

一瞬で伝わるコピー。その世界観を想像できる表現力。

それが理想的ではありますが、「違和感や意表を突く」などネガティブな感情で気を引く作戦もキャッチコピーならではの活用方法です。 大切なのは、一番伝えたいことが表現できているか。そして、多くの情報の中でも埋もれない存在感を放つこと。何十パターンものキャッチコピーを作って、並べて比較して、パズルを組み合わせるように一部の言葉を切り取り、入れ替えて繋げて。自分のイメージに最も合う世界観のキャッチコピーを作り出しましょう。

そして何度もお伝えしますが、そこに嘘がないこと。誇大広告のようにオーバーな表現とか、心理的に焦らす無駄な煽りなど、薄っぺらい表現はすぐに見抜かれてしまいます。

初心者でも作りやすいキャッチコピー!王道の3パターンを紹介

誰しもが、未だに記憶に残る印象深い言葉があると思います。鮮明に脳裏に焼きついて、なぜか、いつまでも忘れずに覚えている。それは何かしらの理由によって、自分の感情が大きく揺れ動くほど心に浸透する言葉だったからでしょう。

一瞬で相手の心を鷲掴みにする「キャッチコピー」もまた同じような存在なのかもしれません。初心者でも作りやすいキャッチコピー王道の3パターン紹介します。

1.「共感」を誘うキャッチコピー

よく見かけるのは、共感を誘う「あるある系」です。過去の実体験を通して「それわかる。あるある」と共感したキャッチコピーをキッカケに、過去の出来事を思い出してノスタルジーに浸ってしまう。今の自分と似た境遇や同じ悩みを持つ人たちへの課題解決。自分の言いたかったことを言語化してくれたキャッチコピーには、気分がスッキリする爽快感や不安解消の安心感から「共感」が生まれやすいのです。

自分の幸福度が上がり、その先のストーリーが想像できる心地よさへの共感。自己実現をイメージできるような勇気を持てるワンステップ踏み込んだ共感。リアルな本音が見える、心の弱さが見える、裏側の苦悩が見える、人の心を感じ取れるような共感。見た人の感情が突き動かされて、自分ごと化していくのです。

自分ごと化できるような語りかけるキャッチコピーを見ると、人は誰かに伝えたくなります。共感からSNSのシェアに自然と繋がっていくこともあり、一般的には「共感を誘うキャッチコピー」は永久保存版。オーソドックスなひとつの型として今後も使われていくことでしょう。

参考事例:ヘーベルハウス(旭化成)「親子の距離から考える、共働き家族の家づくり。」

2.「逆説」や「発想の転換」から驚きを生むキャッチコピー

逆説とは、反対のことを言ってるふうでいて、実は真理をつく「裏の裏は表」のような一時的に錯覚を起こす表現でもあります。人の裏をかいたり、意表を突く発想の転換、目が点になるような驚きを生むキャッチコピー。

いい意味での裏切り感と意外性を感じて「これはやられた!」と思わず笑みが溢れるわくわくする感覚が新しい気づきをもたらし、面白さや斬新さでその世界観を表現した不思議な感覚の興味をそそります。いわゆる「バズ」を生む確率の高いキャッチコピーでもあり、世の中をあっと言わせる今まで考えもしなかった驚きの視点が称賛に値する斬新なキャッチコピーといえます。

参考事例:近畿大学(広告アーカイブ 2015年) 

3.「違和感」から負の感情を抱くキャッチコピー

一般的に「違和感」といえば、ネガティブな感情をイメージすると思います。いつも通りではない、普段とは異なる感覚や印象を受けると、正体不明の違和感を感じたりするものです。

見過ごせない違和感を覚えたとき、一瞬だけ考えたり、立ち止まったりしますよね。その「違和感」をあえてキャッチコピーに盛り込むことで目に止まらせて考えさせ、その先を想像させる力を発揮して、印象深く記憶に残ります。

何となく気になる不思議な違和感。何を言いたいのかが全く伝わらない違和感。日常生活の中で当たり前のことが覆されるような違和感。不安を煽るネガティブな言葉や怒りの感情を引き出すキャッチコピーもありますが、怒りの感情は限度を超えると炎上するため、注意が必要です。今の時代は避けるのが無難だと思います。

「疑う・不安・危惧」などのネガティブな感情を抱く違和感もあれば、ポジティブな感情を抱く違和感もまた存在して、嬉しい誤算のような「嬉しい違和感」を表現することができます。例えば、普段は一切家事を手伝わない旦那が急に家事を手伝うようになった違和感。大飯ぐらいの人が急に少食になったとか、自分に自信を持てなかった人が急に生き生きしたオーラになったとか、その裏側の背景に「Why?(なぜ)」と興味を抱いて、その後のストーリーを追いたくなるものです。

参考事例:文の里商店街(2013年ポスター全集)

コピーをまとめてネットに掲載している企業や団体があまり見つからず、古い参考事例をリンクしてますが、未だにインパクトを感じますので、よかったら参考にご覧ください。

ホームページを作るとき、フライヤーを作るとき、デザインはもちろんのこと、キャッチコピーは重要な要素になります。一瞬で心を鷲掴みにするような「キャッチコピー」を掲載し、トライアンドエラーを繰り返して様子を見ながら、コンバージョン(成果)や目指すゴール(目的)へと繋げていきましょう。

沖縄のライター・編集者チーム「OKINAWA GRIT(オキグリ)」代表 みやねえ(@miya_nee3) でした。それでは、また!!

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この記事を書いたライター

みやねえ
沖縄を拠点に二拠点生活で活動するライター・編集者。Webメディアの編集長やディレクションなど。Webライター育成講座や沖縄 #ライター交流会 を企画・運営。[職歴]ツアーコンダクター ➡ HTMLコーダー/Webディレクター ➡ フリーライター/複数の新規立ち上げメディアに参画 ➡ Webメディアの編集長・編集者/ライター講座の講師 ➡ 沖縄のライター・編集者チーム「OKINAWA GRIT」代表。